忍者ブログ

詰め込みブログ

ぼそぼそつぶやきと写真とイラストブログです *クリックできるものは拡大します*
MENU

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

納涼しようぜ!


怖い話を読んでいて、ふと自分にもそういう不思議な話は無いのだろうかと考えたところ、
何か怖かった思い出を完全に思い出したので書いてみました。

拙い文章で申し訳ありませんが、
暇つぶしでもしちゃろかいという方は追記からどうぞ(´・ω・`)/








前に住んでいた宿舎での出来事です。

今の家に引っ越す前は、とある宿舎の7階に住んでいました。
エレベーターと階段(+踊り場)から見て逆L字型の廊下があり、一番奥の705号室が私の家でした。
幼稚園~小学校4年生の夏までそこに住んでいました。


図解・前の家こんな感じです。


エレベーターに対面する様にある階段は節電の為なのか大抵スイッチが入っていなくて、
使用する人が付けたら消す、という暗黙の了解みたいなものがありました。
スイッチを入れたとしても蛍光灯の力が弱いのか、常に薄暗く、1階下の光ですらよく見えない状態でした。
もちろんスイッチが入っていない状態は、本当に『闇』そのものでした。


小学校2年か3年の時かな、宿舎に住んでいる子供達の間で肝試しみたいな感じで
“エレベーターではなく、電気を消した階段を使う”という変な遊びが流行った時がありました。
遊ぶ時、登校時など、ちょっと外へ出る時は階段を使うというだけのシンプルなルールだったんですが、
真っ暗闇の中へ自分から飛び込んで行くのはさすがに勇気がいることでした。
その遊びはすぐに飽きられ、廃れていったのですが、その短い期間の中で私が経験した事を話します。






同じく小2~3年のある日の朝、私は5階に住む友人と一緒に登校する約束をしていました。
暗い階段を2階分降り、彼女の家のチャイムを鳴らします。
その子はすぐに出てきたのですが、エレベーターの前、階段のすぐ横に来ると「忘れ物をした」というのです。
せっかちだった私は「じゃあ、先に降りてるね」と言い、「下で待ってて」という彼女を置いて階段を降りました。

4階までは階段、踊り場、次の階という一般的な構造だったんですが、
4階から下は郵便局のため途中階は塞がれており、1階まで立ち寄る場所がありません。

宿舎に住んでいる子供達は階段に慣れている上、
4階から1階まではずっと暗闇なので目が慣れてきます。
なので私はいつもの様に早いとこ降りてしまおう、と駆け下りていきました。



1階半ほど降りたあたりでしょうか、上の方から友人の「待って!今行く!」という声が聞こえました。
私は足を止め、手すりの方から上を向くと、友人の姿がぼんやりと見えます。
少し…いや、結構怖かったのですが、階段を降りてくる音が聞こえたので私はそのまま待つ事にしました。




想像してみて下さい。




友人が降りてくる音が聞こえるとはいえ、暗闇の中に一人きりで立っています。
何も見えません。そして、下からほんのり吹き上げてくる冷気。怖いです。



私は早く来ないかな、と靴をトントン鳴らしていたのですが、
友人は階段が怖いのか、トン、トン、とゆっくりと降りてきます。


トントン、という私の音と、友人のトン、トン、という音、つまり二人分の音が聞こえます。
階段には二人しかいない、ということです。それ以外の音はありませんでした。


そして私はその場に一人でいました。まだ目は暗闇に慣れていません。












──────────────その時。

 










 

右耳に、生暖かい空気がふう、とかかりました。

続けて、呼吸音。

 












すー、はー。   すーー、はーー…

 













明らかに、私の隣に人がいる気配がするのです。
そして、私の耳元でゆっくり呼吸をしているのです。









「……ッ!!!!!!!」



 


その存在を認識した私は、
耳元からブワァッと鳥肌が広がっていく感覚と共に身体を強張らせました。







 

すぐ、そこに、いる。




 

誰かがいる。誰かが息してる、呼吸してる。誰かが、いる。







でも見えない!わかんない!わかんない!暗い!!暗い!!

怖い!!!
















そこにいてはいけない、と直感的に感じた私は友人を待たず、
弾けるように階段を降りていきました。



…友人の足音は意識の外にありました。

ちゃんと降りてきていて鳴っていたのかもしれないし、
もしかしたら立ち止まっていたのかもしれないし。
とにかくよく分かりませんでした。待ってはいられませんでした。






1階の光が見えた時、私は足の力が抜けて転びそうになりました。
それでも早くそこに着きたくて、手すりを強く掴んで降りていった記憶があります。







完全に明るい所まで出て、私は友人を待っていました。
動いていないと先ほどの生暖かい感触がつぶさに蘇ってくるので、足踏みをしていました。



「何で先に行っちゃうのー?待ってって言ったのに」


後から駆け足で降りてきた友人が、少し怒って言いました。
私は先ほどの事を言おうかどうしようか迷いましたが、
「ねえ、階段に誰かいなかった?」と確認を取ることにしました。



「え?誰もいなかったよ」
「え、うっそだー!誰かいたよ」
「いなかったよお。行こ」



友人が本当に何事も無かった様に言うので、
私は不思議に思いながらも友人の後に続くように登校し、普通に一日を過ごしました。


上機嫌で帰ってきた私は階段が視界に入った瞬間に今朝の出来事を思い出し、
もう二度と階段は使うまい!と、その日から転校するまでエレベーターだけを使って過ごしました。

 





 

 

今でも思い出せます。あの、呼吸音。

 



× CLOSE

プロフィール

カテゴリー

リンク

ブログ内検索

× CLOSE

PR

Copyright © 詰め込みブログ : All rights reserved

TemplateDesign by KARMA7